シャモニー2日目 シャモニーバスを使ってゲレンデを巡る

 

フランス2日目、旅の初日にして一人で朝を迎えました。嫁は夜中に2つ隣町の大きめな病院に搬送されて緊急手術を受けたため、こちらに帰ってくることができず。

本来なら病院へ駆けつけて一緒にいるべきなのですが、「私のことは気にしないでスノボ楽しんできて」という鋼のプッシュがありまして。とても心配ではありましたが、嫁も色々と思うところもあったでしょうから、それを無下にすることはできないと判断して、開き直って一人で滑りに行くことに。

 

 

 

■置き去りにしたスノーボードの回収

昨日、ゲレンデから病院まで救急車に乗って直行したため、病院から宿泊施設へ帰る際はスノーボードのブーツを履いていました。疲労感もありましたが、その状態でスノーボード2枚を持って宿泊場所まで歩いて行くのはかなり辛かったので、(レンタル品だから本当はマズいのですが)そのまま病院に置いて帰りました。なので、まずはそれらの回収から始めます。

 

宿泊施設の外に出ると、昨日の曇り空は何だったのか、と思ってしまうほどの青空が

少し歩いて空が開けてくると、南西方向のモンブランがよく見えます。天候が変わりやすい山岳地帯で、しかもヨーロッパ最高峰のアルプス山脈で、これほどの好天に恵まれたのは奇跡かもしれません。きっと嫁さんが身代わりになってくれて、腕の骨折をもって全ての凶運を排除してくれたのだと思います。

とまあ、ぶざけた思考は置いておいて、せっかく良い天気に恵まれたので、不謹慎ですが「早くゲレンデに行って滑ってやろう」という、前向きな気持ちになれました。

 

病院に到着。隅っこの気付かれにくい場所に置いたのが良かったのか、治安が良かったのか、2枚ともスノーボードは無事でした。もし盗まれていたらトラブル続きになり目も当てられませんでした。

2枚のスノーボードを持って宿泊施設へ戻ります。その道中、シャモニーの玄関口であるバスステーション Chamonix SUD で『バルム』というゲレンデへの行き方を聞きました。フランス人のイケメンのお兄さんに、どうにかこうにか英語で要望を伝えると、反対側のバス亭からバルム行きのバスに乗れるそう。また、そのバス停からは3種類のバスが乗れるみたいで、乗るバスを間違えないようにと時刻表を網羅したパンフレットもいただきました。

本当に助かります。これがあれば一人でも目的のバスに乗れそうです。

ちなみに、バルムはシャモニー市街地から一番遠い(バスで20-30分くらい)ゲレンデです。なので、ちょっと行くのが面倒なのですが、コースが比較的なだらかでめっちゃ広いみたいなので、アルプスの大自然を感じながらのんびり滑るには良いゲレンデかと思いまして、頑張ってバルムに行ってみたいと考えていました。

シャモニーを中心とした各ゲレンデの位置関係についてはこちらを参照してください。

 

 

 

■昨日のリベンジにバスを使ってブレヴァンへ

部屋に戻ったら身支度を整えて Chamonix SUD へ向かいます。

9:30くらいにバス停に到着。ブレヴァンにある山 LE BREVENT(レ・ブレヴァン)がよく見えます。

バス停に到着したばかりは数人程度しかいませんでしたが、時間が経つにつれて徐々に人が増えていき30人弱くらいに。ここがメインステーションということがわかります。丁度バルム行きのバスが来たのですが、ちょっと方針を変えまして一旦スルー。まずは昨日行ったブレヴァンへ行くことにします。まずは昨日腕を折られた嫁の仇をとろうと思います。

(ブレヴァンの隣のフレジェールからも30分に一本くらいのペースでバルム行きのバスが出ているので、午後にバルムへ行ければよいでしょう)

 

9:45くらいにブレヴァン行きのバスが到着、結構みなさん乗られるんですね。というか、立って乗るスペースがないほど満席になりました。街中のいくつかのバス停を経由して向かうわけですが、「人が降りなければ誰も乗せない」という対応です。

これは海外あるあるで、昔イタリアのコモ湖へ旅行したときに同様の体験をしたことがあります。その時は立場が逆で、先にバス停周辺の『タバッキ』というタバコ屋?個人商店?でバスチケットを買っていた(というか先に買っておかないとならない)のですが、来るバス全てが満員でほぼ素通りしていき、全く乗れずに諦めたことがあります。もちろんチケット代はパーです。

なので、人が集中するバス停を経由してきたバスは、基本的に乗れないと思ったほうがようさそうです。

 

15分くらいで昨日のゴンドラ乗り場 BREVENT Planpraz に到着。体力は使いませんでしたが、たぶん歩いて行った方が近かったと思います。

昨日とは違い、チケット売り場はかなりの行列になっていました。2daysシャモニーパスを持ってる私はそれを横目にゴンドラへ。

数分後、標高2000m付近に到着。

昨日と景色が全然違います、本当に同じ場所ですか?アルプスの山々から朝日が顔をのぞかせている神秘的な光景、本当に感動しました。

 

 

■ブレヴァンを滑り倒す

さて、感動したところでまずは昨日腕を折られたコースにリベンジします。リフト Cornu に乗ってコース Cornu の山頂へ向かいます。

(こちらの方のブログにブレヴァン-フレジェールのゲレンデマップが貼ってあったので、ご参考までに )

リフト乗車中。シャモニーの街が見えます。

リフト下車。降り場からモンブランが見えます。ここからの景色でも十分素晴らしいです。

 

コース Cornu をサッと滑ってリベンジ完了。その後は昨日乗れなかったゴンドラ『BREVENT』の乗り場へ。

BREVENT に乗ると、LE BREVENT(レ・ブレヴァン)の山頂付近へ行くことができます。そこはブレヴァン内での最高到達地点(2525m)で、大パノラマが広がっていました。

目前にモンブラン。太陽の右下辺りの一番高さのある山がそれです。

モンブランの左方向に広がる山々。

モンブランの右方向に広がる景色。恐らくこの方角の先に、明日の移動先であるリヨンがあります。

このように、アルプス山脈の最高峰であるモンブランをはじめ、山々の大パノラマビューを見ることができます。本当に圧巻の一言、日本では決して見られない規模感です。

昔、谷川岳天神平スキー場(現在のMt.T by 星野リゾート)に行ったとき、ゲレンデ山頂から見た景色が海外のように開けていて、ここなら海外の景色と張り合えるな、と思ったことがありますが、さすがにこの景色には負けてしまいますね。

レ・ブレヴァンからの滑走も、とても気持ちよかったです。ただ、山頂から始まるコース c.bozon が狭くて雪質は少し硬めで、スノーボードで滑るにはちょっと窮屈かなと思います。最低でもメインスタンスのターンを自在にコントロールできる技術は必要かなと思います。

 

 

 

■連絡ゴンドラでフレジェールに行くが大きなタイムロスに

その後は、再びリフト Cornu を使って登り、まだ滑っていないコースを経由してお隣『フレジェール』への連絡ゴンドラ LIAISON を目指します。経由したコースが上級コースだったのですが、急斜面ばかりでかなり足腰に負担がかかりました。ただ、これでブレヴァンでの滑走については一通りやりきったと言えそうです。

 

ゴンドラ LIAISON 乗り場についたのですが、かなり混雑しており、かつゴンドラの回転率が悪いときていまして。そこからゴンドラPlanprazまで戻ろうにも、ゲレンデ内の横移動が面倒くさそうだったので、我慢して待つことに。

しかし、これが大きなミス。たぶん30分以上掛かってようやくゴンドラに乗れました。

 

そしてようやくフレジェール側に到着したのですが、今度はゲレンデ内に出る連絡リフト EVETTES が激混みで20分待ち。

フレジェールのゲレンデから下山ゴンドラに乗るまでに、一時間以上もロスすることになりました。だったらブレヴァンのゴンドラPlanprazで下山したほうが早かったのではないでしょうか。

 

ちなみに、一時間以上掛かってようやく着いたフレジェールのゲレンデはこちら。

>(こちらの方のブログにブレヴァン-フレジェールのゲレンデマップが貼ってあったので、ご参考までに )

引用で紹介した上記のゲレンデマップを見てもらうと分かりますが、ブレヴァンの半分ほどの面積しかありません。なので、ゲレンデの70%以上はこの写真に収まっているのではないでしょうか。

私的にはあまりワクワクしないレイアウトのゲレンデなので、一時間も掛けてくる必要はないですね。ここからゴンドラに乗って下まで降りて、バス待ちをするって考えると、改めてブレヴァン側から降りればよかったと思います。

 

 

 

■シャモニーバスでバルムエリアへ

フレジェールのゴンドラ FLEGERE へ乗車して下山。すぐ近くのバス停に向かいます。

フレジェール麓のバス停からバルム行きのバスに乗り込み、バルムエリアへ向かいます。

 

バルムエリアのバス停に到着後、すぐ近くにあったマップを撮影。

これを見て気付いたのですが、バルムも2つのエリアで構成されているようです。シャモニーバスでこられるのは LE TORU というバス停なので、おのずと右側のLes Autannesゾーンに行くことになります。

左側のTete de Balmeゾーンにはコース Liaison balme を使って移動できそうですが、Les Autannesゾーンに戻ってくるためのコースが一本しかなさそう。そこが雪不足とかで開いてないと戻ってこられなくなる可能性があるので、無難に右側だけ滑って終わりにしようかなと思います。

 

こちらがLes Autannesゾーンのゲレンデ。確かに広くて斜度が緩めなので、初心者のかたは滑りやすそうですね。ただ、コース自体は短かかったので、コースも長くて地形も面白いブレヴァンのほうが、私は滑っていて楽しいです。

2-3数本リフトに乗ったら満足したので、下山してバスへ。バスの頻度とバス待ちの人の数が合っておらず、乗車時は戦場でした。

 

 

 

■まとめ

3スキー場共通パスを持っていれば、レ・ズッシュを除いたブレヴァン-フレジェール、グランモンテ、バルムエリアの3スキー場が利用できますし、かつ自由にシャモニーバスに乗れますので、数日間シャモニーに滞在してウィンタースポーツを楽しむ方々には、良いサービスだと思いました。今回は時間が足りずにグランモンテには行けませんでしたが、今回行ったどのゲレンデでも大パノラマの絶景が楽しめましたので、観光目的で滑るのに向いていると思います。

ちなみに、雪質は日本のゲレンデのほうがよいです。

ただ、乗車するバスの路線次第では、満車状態で乗車不可となる場合がありますので注意が必要です。例えば、多くの人が利用するバス停 Chamonix SUD を経由して近場のゲレンデに向かうにバスは、Chamonix SUD で多くの人が乗車しますので、途中にあるバス停から乗るのは困難ということになります。もちろん、朝の時間帯のほうが、昼に比べてゲレンデに向かう人も多いでしょうから、そういった点も加味するべきかと思います。

そして個人的には、最初に滑ったブレヴァンだけで滑り続ければ、満足するかなと思います。

 

 

 

■余談

その日の夜遅くに、手術を終えた嫁が帰ってきました。

骨折した日の夜中に手術は終わっていたようですが、病院側がなかなか退院させてくれずに時間がかかったみたいです。

(正確には、昼頃から退院可能かについて医師と話をしたいと看護師に言い続けていたようですが、全然呼んできてくれなくて話が進まず、退院までに時間がかかったようです。日本ではありえない、海外クオリティですね)

必ず自身で手術箇所を消毒するという約束をして退院できたようです。消毒時に手術した部位を見せてもらいましたが、肘から手首の方にかけて20cm弱ほどメスで切ったであろう傷があり、縫合用の太いホチキスの針が10本以上刺さっていました。肛門がキュッとなるような生々しい傷跡です。

この傷跡を見る限りは、旅行を断念して帰国を選択するのが普通かなと思いますが、「日本には帰らずに旅を続行したい」という本人の意思表示がありましたので、可能な限り回復に努めてもらい、明朝のリヨンへの移動に備えてもらいます。

 

 


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